文化審が答申、礼文島の高山植物を天然記念物に


アケボノゾウ化石標本も、会津侵攻の防御拠点も史跡に

文化審が答申、礼文島の高山植物を天然記念物に

国の天然記念物に指定されるアケボノゾウの化石標本の足部分(滋賀県多賀町提供)

 文化審議会(佐藤信会長)は17日、北海道・礼文島南部の高山植物群落や、滋賀県多賀町で発見された日本固有種のアケボノゾウの化石標本など3件を新たに天然記念物に指定するよう、末松信介文部科学相に答申した。近く答申通り告示される。

 礼文島南部の西海岸には、標高が低いにもかかわらず多様な高山植物が生育している。冬季の強風など特殊な立地が影響し、固有種も多い。アケボノゾウは約250万~100万年前の日本列島に生息し、独自の進化で小型化した。1993年に琵琶湖近くでほぼ全身の骨が発掘された。

 文化審はまた、伊達政宗による会津侵攻の際、防衛拠点となった柏木城跡(福島県北塩原村)など史跡3件と、徳佐八幡宮(山口市)参道の枝垂れ桜を中心とした桜並木を名勝に指定するよう求めた。

 文化審の答申内容は次の通り。

 【史跡】三戸城跡(青森県三戸町)▽柏木城跡(福島県北塩原村)▽八代海干拓遺跡(熊本県八代市)

 【名勝】徳佐(サクラ)(山口市)

 【天然記念物】礼文島桃岩一帯の高山植物群落(北海道礼文町)▽アケボノゾウ化石多賀標本(滋賀県多賀町)▽東峰村の阿蘇4火砕流堆積物および埋没樹木(福岡県東峰村)