MVPにオリックス山本由伸とヤクルト村上宗隆
MVPの重みを実感した山本、目指すは負けない投手
タイトルを総なめにしたオリックスの山本に、新たな勲章が加わった。パ・リーグMVPに選ばれ、「パで一人しか受賞できない。本当にうれしい」。その重みをかみしめた。
今年重きを置いたのは、一年を通して安定した成績を残すこと。「球数を少なくいくのも作戦。とにかく疲れを残さずに次の登板に備えたい」。力投にはこだわらなかった。
登板までの1週間の準備は余念がなく、食生活もストイックに管理。「普通の動きをしないので、普通の食生活では駄目」。脂や塩分の多い物は避けるなどして体調を整えた。その成果が5月下旬からの15連勝に表れた。
理想に挙げたのは楽天の田中将。東京五輪で一緒にプレーし、ブルペンでの投球の丁寧さに感銘を受けた。「(田中将が)24連勝したシーズンはとても印象に残っている。負けないのはとても難しい。そこを目指したい」。文句のない成績を残しても、さらなる高みへ歩みを止めない。
21歳村上にセ史上最年少のMVP、膨らむ4番の自覚
4番打者としてヤクルトを6年ぶりのリーグ優勝、20年ぶりの日本一に導いた村上がMVPに選ばれた。21歳での受賞はセで史上最年少となり、「すごく光栄。一人で取れる賞ではないので、支えてくれた方に感謝したい」と喜んだ。
豪快なスイングで打線を引っ張った。39本塁打を放ち、巨人の岡本和とともに最多本塁打のタイトルを獲得。9月には史上最年少の21歳7カ月で通算100本塁打に到達した。
プレー以外でも仲間を鼓舞する姿が目立った。ベンチで大きな声を出し、「打てなくて落ち込むことはあるけど、4番なのでそれは出さないようにやっていた」。投手を励まそうとマウンドに歩み寄る場面も多く、「三塁手は投手に近いし、一人にさせたくない思いもあった。声を掛けてリラックスしてもらえれば」との思いがある。
来季の目標は2年連続の日本一。「続けることは難しいけど、頑張ります」。若き主砲は力強く言った。