MVPにオリックス山本由伸とヤクルト村上宗隆


MVPの重みを実感した山本、目指すは負けない投手

MVPにオリックス山本由伸とヤクルト村上宗隆

プロ野球の年間表彰式で最優秀選手賞に輝いたオリックスの山本由伸投手(左)とヤクルトの村上宗隆内野手=15日、東京都内(代表撮影)

 タイトルを総なめにしたオリックスの山本に、新たな勲章が加わった。パ・リーグMVPに選ばれ、「パで一人しか受賞できない。本当にうれしい」。その重みをかみしめた。

 今年重きを置いたのは、一年を通して安定した成績を残すこと。「球数を少なくいくのも作戦。とにかく疲れを残さずに次の登板に備えたい」。力投にはこだわらなかった。

 登板までの1週間の準備は余念がなく、食生活もストイックに管理。「普通の動きをしないので、普通の食生活では駄目」。脂や塩分の多い物は避けるなどして体調を整えた。その成果が5月下旬からの15連勝に表れた。

 理想に挙げたのは楽天の田中将。東京五輪で一緒にプレーし、ブルペンでの投球の丁寧さに感銘を受けた。「(田中将が)24連勝したシーズンはとても印象に残っている。負けないのはとても難しい。そこを目指したい」。文句のない成績を残しても、さらなる高みへ歩みを止めない。

21歳村上にセ史上最年少のMVP、膨らむ4番の自覚

 4番打者としてヤクルトを6年ぶりのリーグ優勝、20年ぶりの日本一に導いた村上がMVPに選ばれた。21歳での受賞はセで史上最年少となり、「すごく光栄。一人で取れる賞ではないので、支えてくれた方に感謝したい」と喜んだ。

 豪快なスイングで打線を引っ張った。39本塁打を放ち、巨人の岡本和とともに最多本塁打のタイトルを獲得。9月には史上最年少の21歳7カ月で通算100本塁打に到達した。

 プレー以外でも仲間を鼓舞する姿が目立った。ベンチで大きな声を出し、「打てなくて落ち込むことはあるけど、4番なのでそれは出さないようにやっていた」。投手を励まそうとマウンドに歩み寄る場面も多く、「三塁手は投手に近いし、一人にさせたくない思いもあった。声を掛けてリラックスしてもらえれば」との思いがある。

 来季の目標は2年連続の日本一。「続けることは難しいけど、頑張ります」。若き主砲は力強く言った。