ノーベル物理学賞、真鍋さんにメダル授与へ


気候モデル開発し温暖化の理論を確立、オンライン式典へ

ノーベル物理学賞、真鍋さんにメダル授与へ

ノーベル物理学賞の受賞が決まったプリンストン大の真鍋淑郎上席研究員=10月5日、米ニュージャージー州(時事)

 2021年のノーベル賞の授賞式が6日から各受賞者の居住地で順次始まる。米首都ワシントンでは6日午後(日本時間7日早朝)、米科学アカデミー(NAS)で式典が行われ、物理学賞に決まった米プリンストン大の真鍋淑郎上席研究員(90)ら3人にメダルと賞状が授与される。一連の行事はインターネットでライブ配信される。

 今年はノーベル平和賞の授賞式をノルウェー・オスロで10日、対面で開催する。残る5部門については、新型コロナウイルス感染防止のため、昨年に引き続き各地でのオンライン式典となる。

 ワシントンでの授賞式は6日午後3時(同7日午前5時)に開始。真鍋さん、化学賞のプリンストン大のデービッド・マクミラン教授、経済学賞の米マサチューセッツ工科大(MIT)のヨシュア・アングリスト教授の3人が、スウェーデンの駐米大使からメダルなどを受け取る。

 真鍋さんは1960年代から、さまざまな要素が複雑に絡み合う気候変動を解明するコンピューター上のシミュレーションモデルを開発。二酸化炭素が増えると地球が温暖化する理論的基礎を確立した。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が90年に公表した第1次評価報告書には、真鍋さんの研究成果が引用されている。

 真鍋さんは、独マックスプランク気象学研究所のクラウス・ハッセルマン名誉教授(90)と伊ローマサピエンツァ大のジョルジュ・パリージ教授(73)とともに物理学賞を受賞。3人は8日にオンラインで記念講演に臨む。

 日本人のノーベル賞は19年に吉野彰・旭化成名誉フェロー(73)が化学賞を受賞して以来で計28人目(米国籍取得者を含む)。(ワシントン時事)