孫のキム・ウンギョンさんとウランバートルで面会

横田めぐみさんの娘キム・ウンギョンさんとの面会について記者会見する横田滋さん（左）、早紀江さん夫妻＝１７日午前、川崎市

　「めぐみを思い浮かべた」。北朝鮮に拉致された横田めぐみさん＝当時（１３）＝の父滋さん（８１）と母早紀江さん（７８）は１７日、めぐみさんの娘キム・ウンギョンさん（２６）との面会を受けての記者会見で、ひ孫となるウンギョンさんの娘について「よく懐いてくれ、めぐみによく似ていた」と振り返った。「面影が浮かび、涙が出た」と、言葉を詰まらせる場面もあった。

　ウンギョンさんと再会できるかどうかについては話がなかったといい、滋さんは「約束できるような状況ではないが、自由に会えるようになれば互いに行き来したいという話をした」と明らかにした。早紀江さんは「別れる際、ウンギョンさんに『どんなことがあっても希望を持っていましょう』と呼び掛け、強く手を握りしめた」と話した。

　ウンギョンさんの存在が明らかになってから１１年余り。滋さんは「写真から随分大きくなっていたが、丸顔で同じ家系かなと感じた」と表情をゆるませた。早紀江さんは「薄味でおいしくスープを３回もお代わりをした」と、振る舞われた手料理の印象を話した。

　１０カ月になるウンギョンさんの娘は横田さん夫妻にとって初の女のひ孫。早紀江さんは「よく懐いてくれた。体も１１キロと大きく、栄養状態の心配も無用だった。歩行器で元気に動き回っていた」と笑みを浮かべた。

　ただ、早紀江さんは会見中「歌うように声を出す姿が、テレビの前で歌っていためぐみに重なり、涙が出た」と、一瞬言葉を詰まらせた。「なぜめぐみがこの場にいないのかと思い、それが一番つらかった」と漏らし、「健やかに生活するウンギョンさん一家と同じように、めぐみもどこかで守られて暮らしていてほしい」と願いを込めた。