ヤクルト川端慎吾、日本一を決める大仕事
延長12回に代打で決勝打、「めちゃくちゃうれしい」
「代打の神様」が大一番で試合を決めた。ふーっと大きく吐く息が白い気温6度の敵地。ヤクルトの川端が1-1の延長十二回2死一塁から満を持して代打で登場した。
捕逸で塩見が二進し、ファウルを挟んだフルカウントからの7球目。思いを乗せて打球を左前に運んだ。塩見が生還し、川端は一塁ベース上で力強いガッツポーズを見せた。「後ろに山田、村上と3、4番がいた。何とかつなごうと思った。いいところに落ちて最高の結果になった。めちゃくちゃうれしい」。試合後は感涙した。
オリックスの山本を打ち崩せず、延長に入っても救援陣に苦戦。試合時間が5時間に近づき、あと1死で勝ちがなくなった土壇場で、今季何度も勝利に導いてきたベテランが勝負強さを発揮した。
ヤクルトは第6戦まで先発投手が5回以上を投げてきたが、この日は早々に継投に踏み切った。高梨は10月26日以来の登板で、立ち上がりから躍動感のある投球を披露。ただ、五回に不運な形で失点すると、この回途中1失点で降板した。その後はスアレス、清水、マクガフが回またぎの投球で踏ん張り、川端の一打を呼び込んだ。
4勝2敗で20年ぶり6度目の日本一。試合終了の瞬間、選手たちはベンチを飛び出した。高津監督は胴上げで10度宙に舞った。村上が、青木が、中村が、石川が、選手たちが涙を流して喜びを分かち合った。