欧米当局が協力、小惑星の軌道を変える初実験
ESAとNASAが地球防衛システムで協力、人類初の試み
欧州宇宙機関(ESA)と米航空宇宙局(NASA)が協力して地球の安全を守る「地球防衛システム」を構築するため、NASAは米カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から宇宙船を小惑星に衝突させて軌道を変える「DART(二重小惑星方向転換試験)」ミッションの宇宙船を民間宇宙会社スペースXのファルコン9ロケットによって打ち上げた。
DARTは小惑星が地球に衝突する軌道上にあると判明した場合、その軌道を微調整することで地球に衝突する危険性を排除する人類初の試みで、地球が宇宙で今後も存続していくための危機管理ともいえるビッグプロジェクトだ。
ESAは2019年7月、プレスブリーフィングで小惑星「2006QV89」が同年9月、地球に衝突する確率が1対7000だったと発表。同惑星は23年に地球に接近する軌道に再び入るという。(ウィーン・小川 敏)