文化審が答申、鹿児島県の霧島神宮を国宝に
ニッカウヰスキー余市蒸留所など建造物10件を重文に
文化審議会は19日、霧島連山・高千穂峰の霧島神宮(鹿児島県霧島市)を国宝に、ニッカウヰスキー余市蒸留所(北海道余市町)など建造物10件を重要文化財に指定するよう、文部科学相に答申した。
霧島神宮は、神話にゆかりのある古社で、1715年に薩摩藩主の島津吉貴が再建した。龍の彫刻が巻き付いた「龍柱」など色鮮やかな装飾が特徴的で、文化史的な意義も深いと評価された。1989年に重要文化財に指定されている。
余市蒸留所は、日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝が創業した蒸留施設。赤い屋根と石造りの外壁が特徴的な貯蔵庫など、31~42年に建設された10棟が重文に指定される。
このほか、建築家丹下健三氏の代表作の一つの香川県庁舎東館や、日本で初めての本格的な長大つり橋の若戸大橋(北九州市)も答申された。
現存する日本最古のビアホールがある銀座ライオンビル(東京都中央区)、城のような外観の蒲郡クラシックホテル本館(愛知県蒲郡市)など建造物91件を登録有形文化財とすることも求めた。
文化審議会の答申は次の通り。
【国宝】
霧島神宮(鹿児島県霧島市)
【重要文化財】
旧三井銀行小樽支店(北海道小樽市)▽ニッカウヰスキー余市蒸留所施設(北海道余市町)▽上野家住宅(山梨県山梨市)▽京都ハリストス正教会(京都市)▽江埼灯台(兵庫県淡路市)▽美保関灯台(松江市)▽出雲日御碕灯台(島根県出雲市)▽香川県庁舎旧本館および東館(高松市)▽若戸大橋(北九州市)▽鹿児島神宮(鹿児島県霧島市)