台湾、改良型の主力戦闘機「F16」を実戦配備


蔡総統が引き渡し式典であいさつ、対中防衛力強化へ前進

台湾、改良型の主力戦闘機「F16」を実戦配備

18日、台湾南部・嘉義の空軍基地で、性能が強化された改良型の戦闘機「F16」に乗り込む蔡英文総統(左)(台湾総統府提供)

台湾、改良型の主力戦闘機「F16」を実戦配備

18日、台湾南部・嘉義の空軍基地で、改良型の主力戦闘機「F16」の引き渡し式典であいさつする蔡英文総統(台湾総統府提供・時事)

台湾、改良型の主力戦闘機「F16」を実戦配備

18日、台湾南部・嘉義で国防部(国防省)へ引き渡された改良型の主力戦闘機「F16」(台湾総統府提供・時事)

 台湾国防部(国防省)は18日、現有機の性能を増強した改良型の主力戦闘機「F16」を実戦配備した。蔡英文総統は南部・嘉義の空軍基地で行われた引き渡し式典に出席し、「性能が大幅に向上されたことで、現代型の戦争への対応能力を補強できた」とあいさつ。台湾への軍事的威嚇をエスカレートさせる中国を念頭に、防衛力強化に向けた自信を内外に誇示した。

 保有機の性能向上は、米国からの武器供与の一環で、米防衛大手ロッキード・マーチンや台湾企業が担当した。改良型はステルス性能が引き上げられたほか、新型レーダーを装着したことで偵察能力も強化された。蔡氏は「台米による今般の協力で、友情が一段と深まっただけでなく、(防衛協力に対する)双方の確固たる約束が体現された」と強調した。

 中国が巨費を投じて軍備の近代化を加速させる一方で、台湾の装備は老朽化が目立ち、更新や新装備導入が喫緊の課題となっている。国防部は141機のF16全機について、1100億台湾ドル(約4500億円)を投じて改良する方針で、これまでに64機が完成。これとは別に、米国からF16の新型計66機を購入することも決めており、2026年までに順次引き渡される見通しだ。

 蔡総統は18日、改良型の飛行訓練も観閲。防空識別圏に繰り返し進入する中国軍機への対応に当たる操縦士らの労をねぎらった。(台北時事)