MOX燃料、4年ぶり関電高浜原発へ搬入
プルサーマル発電に、健全性など確認し4号機で使用へ
フランスで製造されたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を積んだ輸送船が17日、関西電力高浜原発(福井県高浜町)内の港に到着した。関電はMOX燃料を同日中に陸揚げして構内へ搬入した。高浜原発でプルサーマル発電の燃料に使用していく。海外から日本へのMOX燃料輸送は2017年9月以来、約4年2カ月ぶり。
MOX燃料は、使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムにウランを混ぜたもので、仏原子力大手オラノのグループ企業が製造。輸送船は9月上旬に仏シェルブール港を出発していた。運ばれたMOX燃料は、輸送容器2基に入れられた計16体で、関電は燃料の健全性などを確認した後、高浜4号機で使用する計画。今回とは別に3号機用16体も製造中で、輸送時期は未定という。
原発でMOX燃料を使うプルサーマル発電は、使用済み核燃料に含まれるプルトニウムを抽出し、発電用燃料として再利用する核燃料サイクル政策の要の一つ。関電は20年末で約12・6トンのプルトニウムを国内外で所有、MOX燃料にすると約290体分に相当する。
反原発団体や個人でつくる「老朽原発うごかすな!実行委員会」は17日朝、周辺で搬入に抗議するデモを行った。主催者によると、県内外の約30人が参加。「プルサーマル運転は危険だ」などとシュプレヒコールを上げた。