開催中のCOP26で、福島復興を初アピール
グラスゴーで、再エネ・水素活用PR、温泉やラーメンも紹介
英北部グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の会場で10日、2011年の東京電力福島第1原発事故からの福島県の復興状況を発信する日本政府のイベントが開かれた。事故後10年がたち、福島で再生可能エネルギーや水素の活用といった未来を見据えた地球温暖化対策が進む姿をアピールした。COPで福島の復興をPRするのは初めて。
ビデオメッセージで出演した福島県の内堀雅雄知事は、原発事故後の状況について「除染作業が進み、空間放射線量は大幅に減少した。現在は世界の主要都市とほぼ同水準だ」と強調。「原子力に依存しない社会」に向け、40年ごろに県内のエネルギー需要の100%以上を再エネで賄う県の目標などを紹介した。
同県大熊町の吉田淳町長と浪江町の吉田数博町長もビデオメッセージを寄せた。
また、16年から4年間福島県に滞在し、県観光物産交流協会で勤務した経験を持つ英国出身のゾーイ・ヴィンセントさんが登壇。原発事故後に福島から世界中に放射性物質が拡散したという誤った情報がインターネットで広まったことを踏まえ、「ネットの情報を信じないで」と呼び掛けたほか、温泉や喜多方ラーメンなど魅力を訴えた。(グラスゴー時事)