海上自衛隊が豪軍艦を警護、米軍以外では初


防衛省、「両国の防衛協力にとって、極めて重要な進展」

海上自衛隊が豪軍艦を警護、米軍以外では初

四国南方沖で共同訓練を行う海上自衛隊の護衛艦「いなづま」(右奥)と豪海軍のフリゲート艦「ワラマンガ」(海自提供)

 防衛省は12日、海上自衛隊の護衛艦がオーストラリア海軍の艦艇を警護する「武器等防護」を実施したと発表した。自衛隊が米軍以外を警護するのは初めて。日豪は「特別な戦略的パートナー」として連携を深めており、同省担当者は「両国の防衛協力にとって、極めて重要な進展だ」と話している。

 同省によると、10日から四国南方海域で行われていた海自と豪海軍との共同訓練中、豪側からの要請で、海自の護衛艦「いなづま」が自衛隊法に基づき豪海軍のフリゲート艦「ワラマンガ」を警護した。武器使用などはなかった。

 武器等防護は、防衛上協力関係にある国の要請で、自衛隊が相手国の艦艇や航空機を警護する行為。警戒監視活動や訓練中などの実施を想定しており、必要最小限の範囲で武器使用が認められる。安全保障関連法で新たな任務として加わり、昨年までの4年間で米軍には計57回実施された。

 今年6月の日豪外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で両政府が実施に向けた準備が整ったことを確認していた。