新顔の養殖魚「ブリヒラ」、人気が上昇中
ブリとヒラマサを交配、スーパーや寿司屋で販売好調
ブリとヒラマサを交配させた新顔の養殖魚「ブリヒラ」の生産が今年から本格的に始まり、小売りや外食業界から新たな商材として注目されている。双方の長所を持つことで食のプロからの評価が高く、店頭でも人気を集めている。
ブリヒラは養殖魚の研究で最先端を走る近畿大学が開発し、同大の関連企業グループが高知県で安定した生産を実現させた。ブリヒラについて同大の有路昌彦教授は「ブリ特有のうま味の強さと脂乗りの良さ、ヒラマサ特有の歯ごたえの良さや変色しにくさを併せ持つ」とアピール。自然界でもまれに存在するため、安全面でも問題は無いという。
いち早く注目したのが大手スーパーのベイシアで、今年は6月から関東地方を中心とする主力の約100店舗で販売を強化。刺し身やすしが予想以上に好評で、一時期は「売れ過ぎて魚が不足し、やむなく扱いを一時停止した」(広報担当者)ほど。11月から販売を再開し、12月上旬までに合計5万匹の販売を見込む。
宅配すし最大手の銀のさらも期間限定商品に採用。にぎりずし2万個分の原料魚を確保して9月から全国の店舗で扱いを始めたところ、注文が殺到。11月末の販売終了を待たずに売り切れる店舗が相次いでいる。
人気回転ずしチェーンのくら寿司も今月3日から、期間限定で「ぶりひら」と「ゆず漬けぶりひら」を全店舗に投入。近畿大学とのコラボメニューとして販売に力を入れている。
ブリヒラの小売価格は、にぎりずしが1個当たり86~302円、刺し身用さくが100グラム当たり494円。ヒラマサよりぐっと安く、ブリ並みか、ブリより若干高い程度という。