ネッシー「お縄」に、COP会場近くで抗議


NGOが抗議、低所得国の債務の大きさの象徴として制作

ネッシー「お縄」に、COP会場近くで抗議

国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の会場近くで警察に押収された「ネッシー」の巨大浮き人形=3日、英グラスゴー(NGO「ジュビリー・デット・キャンペーン」提供)(時事)

 英北部スコットランドのネス湖の未確認生物「ネッシー」の巨大浮き人形が3日、グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の会場付近で警察に押収された。NGOが抗議デモの一環で会場近くを流れる川に浮かべようとしたが、警察が治安維持を優先した。

 NGOが3日公表した。この人形は全長約8メートル、高さ約4メートルで水に浮く素材を使っている。低所得国の気候変動対策に伴う債務負担の軽減を訴えるため、債務の大きさの象徴として制作された。

 地元メディアによると、警察が3日朝、約40人を動員して浮き人形を押収。警察の広報担当者は「会場周辺の治安を守るための規制に違反した」と説明しているという。

 これに対しNGOのエバ・ワトキンソンさんは、「怪獣が(低所得国の債務危機という)根本的問題を強調するのを警察は阻止した」と批判した。

 ネッシーは1933年に地元紙が目撃例を報じて以来、20世紀最大の謎の一つとして世界的に広まった。2019年には科学者チームが調査の結果、「正体は恐らく巨大なウナギだ」と発表したが、スコットランドでは依然ネッシーの縫いぐるみが土産物として観光客の人気を集めている。(グラスゴー時事)