オリックスが最下位から頂点、中嶋監督3度舞う
待って本拠で歓喜の輪、合言葉の「全員で勝つ」を体現
本拠地京セラドーム大阪の大型ビジョンでロッテの敗戦を確認すると、オリックスの選手らが一目散にマウンドへ走りだした。歓喜の輪に中嶋監督がゆっくりと向かう。背番号78は3度宙を舞い、「選手に感謝したい」と言葉に実感を込めた。
この後も続々と胴上げ。宮内オーナー、平野佳、T-岡田、安達…。低迷期を知る功労者たちがねぎらわれる。合言葉の「全員で勝つ」を体現してたどり着いた25年ぶりの頂点。全143試合を終え、待つしかなかった優勝決定でも喜びは格別だった。
ロッテとの激しい優勝争い。捕手の伏見は「試合前にいつも吐きそうになる」と打ち明けた。1試合の重みを感じ、「体は持つけど、頭と心がしんどい。頭痛の経験はこれまでなかった」。
三塁手の宗も「この時期にこんな緊迫した試合をやったことがなかった。毎日ガチガチです」。「寂しい秋」を過ごしてきた選手にとって、苦しんで手にした栄冠は最高の財産になる。
終盤に吉田正らのけが人が出ても、誰一人諦めなかった。監督は「優勝していなかったことがクローズアップされていた。何とかしたかった」。2年連続最下位のチームは強さを身に付け、生まれ変わった。
オリックス・中嶋監督 本当にうれしい。選手一人ひとりの力が結集した。優勝できないことがクローズアップされていて、何とかしたいと思った。みんなが新たに歴史をつくってくれた。ファンの皆さんには本当にお待たせしましたと、おめでとうございますと言いたい。