世界体操ゆかで金、村上茉愛が最後に真骨頂
日本体操女子を力強く牽引、笑顔で競技生活にピリオド
ゆかの演技を終えた村上は観客席に向かって頭を下げ、笑顔を見せた。有終の美となる金メダル。「お客さんが応援してくれて、感動を与えられる演技ができた。試合って楽しいなと思えた」。涙は見せず、競技生活にピリオドを打った。
当初は東京五輪を集大成と定めていたが、世界選手権の日本開催が決まり、判断を先延ばし。「(五輪が)無観客だったのが心残り」と、最後の姿をファンの目の前で見せるため、痛む体を動かして調整してきた。
演技冒頭、H難度のシリバスで着地が動いたが、縮こまらない。現役最後と決めた演技で、真骨頂と言える弾むような跳躍技を思い切りよくやり切った。「出来だけなら予選よりも着地が動いたけど、(決勝の)空間が楽しかった」。演技終了直後には、13・966点と2番手の得点だったが、採点を問い合わせて0・1点を加算。逆転してトップとなった。
男子に比べて成果を挙げられていなかった日本女子を、エースとして力強く引っ張ってきた。今大会の女子は金2個と男子を上回る成果。「みんなが決勝に残って、今までにない試合。次のステップになる」。笑顔で舞台を去った。