アフガンの女子生徒アメナさん「悲しみと怒り」
中等教育学校から排除され学校に通えず、窮状を訴える
イスラム主義組織タリバンが暫定政権を発足させたアフガニスタンで、タリバンの方針により中等教育学校から女性教員や女子生徒が排除されるようになってから17日で1カ月。首都カブール西部に住む女子生徒アメナさん(16)は「勉強をしたいし、友達にも会いたい。タリバンが(実権掌握のために)カブールに来てから、深い悲しみと怒りを覚える」と窮状を訴えた。
アフガンでは9月中旬、タリバンの実権掌握以降閉鎖されていた中等教育学校が再開した。ところが、暫定政権の教育省が発表した声明には女性教員と女子生徒の登校について言及がなかった。アメナさんは「社会の半分が女性で構成されている。なぜ男性だけに将来があるのか」と心境を告白。自宅では家族が持ち帰った本やテレビのニュースを見て過ごす。将来の夢は記者だと言うが「アフガンに希望はない」と悲観した。
暫定政権はその後、中等教育学校への女子生徒の登校を認める趣旨を明らかにしたが、イスラム法の解釈に基づき男女別々に分けることなどを条件としている。小学校や私立大学では男女ともに通学を認められているが、服装などには厳しい制限が設けられている。
国連児童基金(ユニセフ)の幹部が15日に語ったところによると、暫定政権の教育相代行は、女子生徒の中等教育学校への登校を許可する構想を近く発表すると約束したという。ただ、カブールを含むアフガン全域で登校を妨げられている女子生徒はいまだ大多数。カブールの中等教育学校で教壇に立っていた女性教員ハサニさん(21)は「イスラム教の教えは女性の教育と仕事を妨げるものではない」と主張した。(カブールAFP時事)