英王子の環境賞きょう発表、候補に日本企業も
WOTA社の移動式水循環システムも候補、賞金1.5億円
英国のウィリアム王子が創設した、環境問題解決に向けた革新的取り組みを表彰する「アースショット賞」の受賞者が17日発表される。日本企業が開発した移動式水循環システム「WOTA BOX」を含む15のプロジェクトが最終候補。5分野から選出される計5個人・団体に賞金100万ポンド(約1億5700万円)がそれぞれ授与される。
アースショット賞は「地球が直面する最大の課題に対する画期的な解決策」を支援するため王子らが創設。名称は、独創的で壮大な挑戦を意味する「ムーンショット」にちなむ。世界中から750の候補が寄せられ、10カ月に及ぶ選考手続きを経て14カ国の15プロジェクトをノミネート。今回が第1回で、2030年まで10年間、毎年5個人・団体を選出する。
「WOTA BOX」は東京都の「WOTA(ウォータ)」社が開発。独自の循環技術を用いて排水の98%以上を浄化・再生利用する小型水処理機で、水道のない場所でも清潔な水が使える。気候変動と人口増加によって水不足が深刻化する中、水の効率的な再利用に貢献したとして、五つある賞のカテゴリーの「ごみを出さない世界の構築」分野で候補入りした。
他のカテゴリーは「自然保護と回復」「気候変動の修復」「海の蘇生」など。生態系保全に力を入れている国家としてのコスタリカ、中国初の公共環境データベース・アプリ「ブルー・マップ」、サンゴ礁再生の養殖技術を提供するバハマの団体などもそれぞれの分野で候補となっている。
発表式典はロンドン北部アレクサンドラ・パレスで開かれ、王子夫妻のほか動物学者デービッド・アッテンボロー氏、女優エマ・ワトソンさんも出席。王子は「地球上の生命にとって決定的となるこの10年には緊急性が求められ、そうした中で候補者たちは(問題解決のために)活動している」と強調した。(ロンドン時事)