ブラジルの病院栄養士「健康和食を教えます」
レシピ本を完成、WEBでも公開し和食の裾野を広げる
世界最大の日系人社会があるブラジルで、食による健康管理の「プロ中のプロ」である病院の栄養士がブラジル人の舌に合わせ、現地調達できる食材で調理可能な和食のレシピ本「サボール・ド・ジャパン(日本の味)」を完成させた。電子版を国際協力機構(JICA)などのホームページで無料公開し、和食の裾野を広げる。
作成に当たったのは、各地の日系病院などで働くブラジル人栄養士7人。2019年にJICAの派遣で九州大で研修を受け、その成果を2年がかりで140ページに結実させた。魚の煮付けや筑前煮、親子丼など、だしを効かせた料理が並ぶ。
編者の一人で、サンパウロ市のサンタクルス日本病院に勤務するソランジ・ガルシアさん(45)は「ブラジル食は動物性脂肪が多くなりがち。和食は海草や野菜を多く取り入れ、たんぱく質も低脂肪が中心と健康的で、普及が必要と感じた」と説明。「アマゾンなどではかつお節などは手に入りにくいので、現地の魚でも代用できることが重要。うま味を利用して塩分を控えるよう工夫した」と話している。(サンパウロ時事)