バンクシー作品、史上最高額の29億円で落札


18年の競売で一部細断された話題作「愛はごみ箱の中に」

バンクシー作品、史上最高額の29億円で落札

路上芸術家バンクシーの作品「愛はごみ箱の中に」(EPA時事)

 正体不明の路上芸術家バンクシーの作品で、一部がシュレッダーで細断された話題作が14日、ロンドンでオークション(競売)に掛けられ、約1858万ポンド(約29億円)で落札された。バンクシーの作品としては史上最高額となる。競売商サザビーズが発表した。

 この作品は「愛はごみ箱の中に」。当初は「少女と風船」という作品名だったが、2018年に競売で落札された直後に一部が額縁に隠されたシュレッダーで細断され、会場を騒然とさせたことが話題を呼んだ。当時の落札額は約104万ポンド(約1億6200万円)で、金銭的価値は約18倍に膨らんだ。

 予想落札額は400万~600万ポンドと見込まれていたが、大きく上回った。サザビーズはこの作品を「疑いの余地なくバンクシーのこれまでの最高傑作だ」とした上で、「既成概念を打ち破ることは常にバンクシーの作品の中心だ。これは破壊行為ではなく、創造の瞬間だった」と評した。(ロンドン時事)