英女王、気候変動への無策に「歯がゆく思う」


マイクが偶然拾う、行動しない世界の指導者たちに不満

英女王、気候変動への無策に「歯がゆく思う」

14日、英カーディフでウェールズ議会開会式後、手を振るエリザベス女王(AFP時事)

 英国のエリザベス女王(95)は、月末からグラスゴーで開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)について、世界の指導者たちが「話をするだけで行動しない」ことに懸念を示し、そうした状況を「歯がゆく思う」と不満をこぼした。英各メディアが15日報じた。

 14日のウェールズ議会開会式で、参加者との会話が偶然マイクで拾われた。女王は「会議についてよく耳にするけれど、誰が来るのかまだ分からない。来ない人だけ分かっている。(彼らが)話だけして行動しないのは本当に歯がゆい」と語った。女王は長男チャールズ皇太子夫妻、孫ウィリアム王子夫妻と共にCOP26の一部会合に出席を予定している。

 気候変動をめぐっては、皇太子が最近のインタビューで、指導者の不十分な対応への若者の怒りに「共感する」と発言。ウィリアム王子も、宇宙旅行より環境対策を優先すべきだと訴えた。政治課題をめぐる女王のコメントが公になるのは異例で、各紙は「女王の環境問題への怒り」「女王がいら立ち表明」などと大きく取り上げた。(ロンドン時事)