台湾を訪問中の仏議員団、蔡英文総統と会談


リシャール元国防相に勲章を授与、中国がさらに反発か

台湾を訪問中の仏議員団、蔡英文総統と会談

7日午前、台北の台湾総統府で、勲章を授与されたフランスのリシャール元国防相(左)と蔡英文総統(総統府提供・時事)

台湾を訪問中の仏議員団、蔡英文総統と会談

7日午前、台北の台湾総統府で会談するフランスのリシャール元国防相(左)と蔡英文総統(総統府提供・時事)

 台湾を訪問中のフランス上院議員4人の代表団は7日、総統府で蔡英文総統と会談した。団長のリシャール元国防相は仏台の交流に反対する中国から、訪問を断念するよう圧力を受けたとされる。蔡氏は「プレッシャーも恐れずに訪台してくれ、とても感動している」と謝意を表した。

 中国は今月に入り、台湾の防空識別圏に多数の軍用機を進入させ、蔡政権への軍事的威嚇を強めている。背景には、欧州主要国や日本を巻き込んだ米国による「中国包囲網」構築とも言える動きへの反発があるとみられる。今回の仏台の接近で、中国はさらに反発を強めそうだ。

 会談で蔡氏は「フランスが台湾海峡の平和と安定の重要性に関心を寄せていることに感謝する」と強調した。リシャール氏はこれに対し、「フランスは他の多くの国と同様、台湾を支持している。台湾は多くの分野で極めて大きな貢献をしているからだ」と応じた。

 会談では、仏台関係や地域情勢など幅広い分野について意見が交わされたもようだ。リシャール氏には、仏台友好発展に貢献したとして、蔡氏から勲章が授与された。

 一行は6日に台湾に到着し、呉釗燮外交部長(外相)と会談。呉氏主催の宴席に出席した。10日までの滞在中、蘇貞昌行政院長(首相)ら他の政権幹部とも会う予定だ。

 蔡氏は7日、5日から訪台しているオーストラリアのアボット元首相とも総統府で会談した。アボット氏は、台湾が9月に加入を申請した環太平洋連携協定(TPP)について、「すべての加盟国に台湾の加入を支持してほしい」と語った。(台北時事)