中東初のドバイ万博開幕、コロナ禍で1年遅れ
2500万人来場が目標、感染抑止と円滑な運営を両立へ
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで1日、中東・アフリカで初めてとなる国際博覧会(万博)が開幕した。昨年10月開幕の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い1年遅れの開催となった。コロナ下では世界最大規模の国際イベントで、190以上の国・地域が参加。感染抑止と円滑な運営の両立が試される。
来年3月末までの期間中、コロナ流行前の目標と同じ約2500万人の来場者を見込む。ただ、幾つかの参加国は訪問者目標を引き下げたとの報道もあり、実現できるかは不透明だ。日本の魅力や文化、先端技術をアピールする日本館でも、一度に入場できる人数を想定の約半分に制限。「万博公社の規定より厳しい基準の対策」(広報事務局)を余儀なくされた。
主催者側は9月、18歳以上の来場者にはワクチン接種証明書か72時間以内の陰性証明書の提示を義務付けると発表。UAEでは新規感染者は減少傾向だが、感染力の強い変異株は世界的流行が続き、厳格化へ方針転換した。万博を指揮するハシミ国際協力担当相は「世界に門戸を開くために必要かつ責任ある措置だ」と強調する。
ロイター通信によれば、関連費用は約68億ドル(7600億円)。UAEの国内総生産(GDP)を1・5%押し上げる経済効果を狙ったが見通しは厳しい。それでも、国外からの一般客受け入れを断念した東京五輪・パラリンピックと異なり、ドバイでは到着後に陰性が証明されれば隔離なしで観光客を迎えており、万博成功を経済復調と国威発揚につなげたい思惑がにじむ。
日本は2025年に大阪・関西万博を控えるが、9月下旬時点の参加表明は57カ国・5国際機関にとどまり、ドバイ万博を機に招致活動を本格化させる。12月11日は「ジャパンデー」として会場全体で日本を紹介する催しが行われる。(ドバイ時事)