英王室の結婚事情 退位や王室離脱、悲恋も
祝福されない結婚のため退位した国王エドワード8世
秋篠宮家の長女眞子殿下と小室圭さんの結婚が発表された。批判や懐疑的な世論が根強い中での船出となるが、皇室とゆかりの深い英王室でも、周囲に祝福されない結婚のため退位した国王エドワード8世をはじめ、王族であるが故に結婚をめぐって困難な道をたどった例は数多い。
エドワード8世はエリザベス現女王の伯父。1936年の即位後、米国人のシンプソン夫人との結婚を望んだが、夫人が既婚者であったため議会や教会が大反対。世論の強い批判にさらされたエドワード8世は、王位を捨てて夫人との結婚を選んだ。君主制の概念を揺るがせたこの騒動は「王冠をかけた恋」として今も語り継がれる。
その現代版といわれるのが、チャールズ皇太子と故ダイアナ元皇太子妃の次男ヘンリー王子夫妻の王室離脱だ。ヘンリー王子は2018年、米国人女優のメーガン妃と結婚。しかし、王室内でのあつれきなどから2人は結婚後2年弱で王室を離れることを決意。「自由な生活」を求めて一家で米国に移住した。その後もメディアで王室の内情を暴露し、議論を巻き起こした。
エリザベス女王の妹で「恋多きプリンセス」と呼ばれたマーガレット王女と、王室侍従武官だったタウンゼント大佐との悲恋も有名だ。王女は10代の時に既婚者で16歳年上の大佐と出会い、恋に落ちた。大佐は離婚し、2人は結婚を望んだが、王室や政府はこの離婚歴を問題視。エドワード8世の時と同様、結婚か王族としての地位かを迫られた王女は結局、大佐との結婚を諦めた。(ロンドン時事)