ホンダが巻き返しへ、「空飛ぶクルマ」に参入
垂直離着陸機の開発に着手、2030年以降の実用化を目指す
ホンダは30日、垂直に離着陸して飛行する「eVTOL」(イーブイトール、電動垂直離着陸機)の開発に着手したと発表した。空を移動する新たな乗り物として北米で実証実験を始め、2030年以降の実用化を目指す。欧米や中国などが先行する「空飛ぶクルマ」による「空の移動革命」に参入し、巻き返しを急ぐ。
ホンダが開発する新型機は、4人乗りを想定。八つのプロペラを搭載する。モーターとガスタービンの力で浮かび上がり、地上約2000メートルの高度を移動。都市部の移動手段として期待される一般的な「空飛ぶクルマ」と、ジェット機の中間的な機体と位置付け、数百㌔程度の都市間移動での活用を想定している。
ホンダは既に米国子会社を通じて小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の実用化に成功し、小型ジェット機の納入機数で世界トップに立つ。ここで培った騒音や振動の制御技術などを応用する。
試作機を使った実験を北米で23年をめどに開始し、25年以降に運航に必要な型式認定の取得を目指す。日本での実用化も視野に入れる。
「eVTOL」をめぐっては、米新興企業ジョビー・アビエーションなどが開発を進めている。トヨタ自動車はジョビーと提携し量産化を目指している。トヨタ出身者らが設立したベンチャー企業「スカイドライブ」(東京)も開発している。