ソドムを滅ぼしたのは隕石? 3600年前に爆発か
旧約聖書で神が滅ぼしたとされる街、国際研究チームが発表
旧約聖書で神が滅ぼしたとされるソドムの街は、実際には隕石(いんせき)で滅びた? 約3600年前に隕石が大気中で引き起こした爆発で、死海周辺の古代集落が破壊されたとする国際研究チームの研究結果が、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
この古代集落は中期青銅器時代に隆盛を極めたヨルダン渓谷のトルエルハマムで、ソドムに比定する考古学者の説がある。旧約聖書の「創世記」では、死海周辺の都市ソドムとゴモラは住民の不道徳な生活のために神の怒りに触れ、天から降った硫黄と火によって滅ぼされたとされる。
論文によると、この爆発は紀元前1650年ごろに発生。1908年にロシアのツングースカで隕石が引き起こした爆発よりも大きく、広島型原爆の1000倍以上のエネルギーに達した。
集落全体に広がる厚さ約1・5メートルの地層からは、外側が溶けてガラス状になった陶器の破片や2000度超の高温で泡立った泥レンガなどが見つかった。また、人骨が分断され、極端にバラバラになっていることも判明。土壌サンプルからは鉄分やシリカを多く含む粒子なども発見され、爆発時の衝撃を示唆しているという。
研究チームの米カリフォルニア大サンタバーバラ校のジェームズ・ケネット名誉教授は「『創世記』に書かれている全ての観察結果は、宇宙からのエアバースト(空中爆発)と一致している」と指摘。「しか(ロンドン時事)し、この破壊された都市が旧約聖書のソドムだという科学的証拠はない」と述べている。(ロンドン時事)