中村警察庁長官が抱負「先端技術を積極活用」
サイバー攻撃に「民間含めオールジャパンで対策が必要」
22日付で就任した中村格警察庁長官(58)が同日、記者会見し、「先見性や発想力、創造性を十分に発揮して警察業務を合理化するとともに、人工知能(AI)など先端技術を積極的に採り入れて高度化を行いたい」と抱負を語った。
国内外で深刻化するサイバー攻撃について、「民間も含めたオールジャパンでの対策が必要」と指摘。「その中で捜査権を持ち、外国の機関ともパイプのある警察は重要な役割を果たさないといけない」と語り、同庁がサイバー局やサイバー隊を2022年度に新設する方針の背景を説明した。
ジャーナリスト伊藤詩織さんが15年に元TBS記者から性的被害を受けたと訴えた問題をめぐり、警視庁が準強姦(ごうかん)容疑で逮捕状を取ったが執行しなかった際の刑事部長。当時の判断を問われると、「警視庁が組織として捜査した。捜査の過程についての具体的な言及は控えたい」としつつ、「法と証拠以外のことを考慮して捜査上の判断をしたことは一度もない」と強調した。
退任した松本光弘前長官(60)も会見。「新型コロナウイルスが拡大する中、いかに感染を防止しながら警察活動を続けて治安を維持するかが課題だった。その終着点として東京五輪・パラリンピックを無事に終えられた」と振り返った。