南アフリカの希少ペンギン、蜂に刺され大量死


絶滅危惧種のケープペンギン63羽の死体、保護団体に衝撃

南アフリカの希少ペンギン、蜂に刺され大量死

南アフリカのケープペンギン=2020年1月、ケープタウン近郊のボルダーズビーチ(EPA時事)

 南アフリカで絶滅が危惧されている希少なペンギンが蜜蜂に刺され、大量死した。当局が専門家らと詳しい調査に乗り出したが、死因としては珍しく、保護活動をしてきた団体も衝撃を受けている。

 南アフリカ国立公園の発表によると、同国南西部ケープタウン近郊のボルダーズビーチで17日朝、63羽のケープペンギンが死んでいるのが見つかった。検視の結果、すべてのペンギンが蜂に複数箇所を刺されていたことが判明。16~17日に蜜蜂の大群に襲われた可能性が高いという。

 このペンギンはアフリカ南部の沿岸部だけに生息し、1970年代以降に個体数が半減したとされる。国際自然保護連合(IUCN)で絶滅の恐れがある「レッドリスト」に掲載されている。

 保護活動を進めてきた南アフリカ沿岸鳥類保護財団は「60羽以上の健康で繁殖可能なケープペンギンを失ったのは大きな痛手だ」と嘆いた。同財団の獣医師デービッド・ロバーツ氏はAFP通信の取材に、「これは非常にまれなケースで、頻繁に起こることとは考えていない」と指摘した。(ロンドン時事)