投降したロシア船員200人を救助、史実を映像化
日本海海戦で沈没、島根県江津市和木町の住民らが救助
日露戦争中の日本海海戦(1905年)で被弾し、沈没したロシア・バルチック艦隊の輸送船「イルティッシュ号」の乗組員を日本人が救助した歴史にまつわるドキュメンタリー映像がロシアで制作され、在ロシア日本大使館で8月31日、試写会が行われた。
日本艦隊の砲弾を受けたイルティッシュ号はロシアに戻ろうとしたが、島根県沖で航行不能となった。船を捨てて投降したロシア人の乗組員たちを現在の島根県江津市和木町の住民らが救助。乗組員200人以上の命が救われたという。和木町では救出劇を後世に伝えようと「ロシア祭り」が例年実施されている。
映像はロシア歴史協会の後援で制作された。敵国兵と知りながら、必死で救助に当たった住民らの人道的な行動やその後の日露の子孫の歩みを丹念に追った作品となっており、ロシアのテレビ局での放映を目指している。
ロシア歴史協会のモギレフスキー専務理事は「このような両国間の交流の好例を人々に知ってもらう必要がある」と強調。上月豊久駐ロシア大使も「両国民の友情に関する素晴らしい歴史に光を当てることが重要だ」と語った。(モスクワ時事)