新学期を迎える米国、マスク「義務」で混乱


論争やまず訴訟に発展も、全国的なコンセンサス得られず

新学期を迎える米国、マスク「義務」で混乱

教室内でマスクを着ける高校生=23日、マイアミ(AFP時事)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、新学期を控える米国では、児童・生徒のマスク着用の義務化をめぐる論争が続いている。教育政策に権限を持つ州知事と保護者の意見がぶつかり、訴訟に発展するケースも。賛否は党派色を帯び、全国的なコンセンサスは得られていない。

 シカゴ大などが23日発表した世論調査では、全国の成人1729人のうち約60%が校内でのマスク着用義務化に賛成した。ただ支持政党別にみると、民主党支持層は賛成が80%超に上ったのに対し、共和党支持層では約30%と大きな隔たりがあった。

 こうした違いは「個人の選択」の自由を重んじる共和党支持者の思想が影響している。フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は7月、「保護者の選択の自由を守る」として校内でのマスク義務化を禁止する知事令を発出。違反した場合、学校職員の給与支払い停止も辞さないと警告した。

 これに対し、バイデン大統領は「公共の安全を政治利用している」と批判。予算支援による連邦政府の介入で対抗する異例の考えを示した。

 米メディアによると、フロリダ州の保護者グループは知事の決定取り下げを求め提訴。巡回裁判所が27日に保護者らの主張を認めると、デサンティス氏はすぐさま控訴の構えを示し、対立はヒートアップしている。

 一方、ニューヨーク州のホークル知事(民主党)は校内でのマスク着用に加え、教職員へのワクチン接種か定期検査を義務付けることを決めた。イリノイ州やニュージャージー州でも、教職員のワクチン接種を義務化する動きが出ている。

 疾病対策センター(CDC)はマスク、ワクチン、換気といった「重層的な対策」を呼び掛けているが、州によって対応は大きく異なっている。(ワシントン時事)