初サンマが豊洲市場に入荷、キロ3万円の超高値
深刻な不漁で昨年より1カ月遅れ、例年の2倍近い高値に
東京・豊洲市場(江東区)に20日朝、秋の味覚・サンマが昨年より約1カ月遅れて初入荷した。不漁で入荷量が少なかったため、卸値は1キロ当たり3万円、1匹だと約3500円の超高値が付いた。
入荷したサンマは、太平洋の公海で操業を開始した小型船が19日に北海道の厚岸漁港で水揚げし、初競りに掛けられた魚の一部。入荷量は約70キロで、例年の初荷の3分の1以下。産地価格の高騰もあり、卸値は1匹120グラム型が1キロ当たり2万5000円~3万円と、例年の2倍近い高値となった。
入荷が極端に少なく、1キロ当たり10万円の過去最高値を付けた昨年の初荷こそ下回ったが、それでも高級クロマグロでもめったに出ないほどの高値。初物を仕入れた仲卸業者は「まだ身が細くて小ぶりだが、鮮度は良い」と話す。
サンマ漁は例年7月から始まるが、近年は深刻な不漁が続き、今年は8月中旬に入っても水揚げゼロの異常事態が続いていた。今後は大型船の操業も本格化するため、豊洲の取引関係者からは「秋本番には漁が好転してほしい」と期待する声が上がっていた。