三菱電機がまた検査不正、 490社納入の配電盤で
現場の従業員の申告により発覚、信頼回復はさらに遠のく
三菱電機は17日、受配電システム製作所(香川県丸亀市)で製造した配電盤の検査で不正が判明したと発表した。実際に不正が行われた製品の数は調査中だが、1996年から2021年までに計4529個が国内外の約490社に納入された。
鉄道車両用や業務用の空調装置などに続く検査不正で、信頼回復はさらに遠のいた。
不正があったのは、駅や大型商業施設で電気を高電圧から低電圧に変換する配電盤。規格で定められた耐電圧試験を行わずに試験成績書に合格の記載をしたり、不適切な方法で放電試験を行ったりしていた。
同社は不正判明後に出荷を停止し、17日から顧客に説明を始めた。安全性や機能性は出荷後の現地試験などで確認できていると説明しており、「多大なるご迷惑とご心配をお掛けし、深くお詫びする」とコメントした。
鉄道車両向け装置の検査不正を受け、7月に杉山武史社長(当時)が不正の申し出を呼び掛ける社員向けメッセージを発信。これを受けて同製作所の従業員が申告し、同28日に発覚した。