スリランカ女性死亡、遺族「動物のような扱い」
法相と入管庁長官から謝罪、監視カメラ映像を開示
名古屋出入国在留管理局(名古屋市)の施設で3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、出入国在留管理庁は12日、収容中の様子を記録した監視カメラ映像を遺族に開示した。映像を確認した遺族側は「動物のように扱っていた」と批判し、全てのデータを開示するよう訴えた。
映像が開示されたのは来日しているウィシュマさんの妹ら。上川陽子法相や佐々木聖子入管庁長官から謝罪を受けた後、同庁幹部が医療体制に不備があったとする調査報告書について説明し、映像を確認したという。
入管庁などによると、映像は亡くなるまでの約2週間分を約2時間に編集したもの。飲み物をこぼすウィシュマさんを見た職員が笑いながら「鼻から牛乳や」と発言した場面や、ベッドから落ちたウィシュマさんを床に留め置いた様子などが記録されているという。
入管庁は遺族と通訳のみに映像を開示し、弁護士の立ち会いは認めなかった。遺族がショックを受けるなどしたため、視聴は半分程度で中断した。同庁は、改めて残りの映像を見る機会を設ける。
ウィシュマさんの妹ポールニマさん(27)は映像確認後に記者会見し、「入管職員が姉を殺した。一時的に入院させて病気を治す環境はあったはず。スリランカの母にどう伝えればいいか言葉が見つからない」と語った。
施設職員の対応に外国人に対する差別を感じたといい、「日本にいる全ての外国人が見るべき映像です」と訴えた。