英紙が東京五輪を総括「忘れられない大会に」
「開催という賭けは成功」「問題を抱えていた」とも指摘
東京五輪が閉幕した8日、英主要各紙(電子版)は新型コロナウイルス流行下の異例の開催となった大会を総括する論評を掲載した。デーリー・テレグラフ紙は「実現不可能だと思われていた五輪は、忘れることができないものとなった」と称賛した。
同紙は「不気味なほど観衆を欠いた『ゴースト・ゲームズ』は、ホストの禁欲的な姿勢と1万人以上の選手たちの輝かしい才能によって救われた」と指摘。「運が良かったのか、判断力があったのかはともかく、(開催するという)賭けは成功だった」と総括した。
ガーディアン紙は「問題を抱えながらも静かな輝きを放ち、世界は楽しいものであることを思い出させてくれた」と論評。「東京は温かく、礼儀正しく、機知に富んだホストだったが、同時に問題を抱えていた」と指摘し、大会関係者や選手が競技場を後にすると開催反対の声を浴びたことに言及した。
タイムズ紙は「五輪はスポーツ競技だけでなく、思い出や英雄、人生を肯定する瞬間を提供している。それが今ほど貴重だと感じられたことがあるだろうか」と強調。今大会に制約が多かったことを考慮して、将来の大会を日本が優先的に招致できるようにすべきだと主張した。
フィナンシャル・タイムズ紙は「東京五輪はスポーツがもたらす慰めを私たちに思い出させた」と書いた有識者の寄稿を6日に掲載。その中で「日本以外の国の人々にとっては、この五輪は笑顔を取り戻す理由を与えてくれた。懐疑的な人も多かったが、開催されたことに感謝する」と述べている。(ロンドン時事)