ニカラグア当局、副大統領候補の元ミスを軟禁
野党連合のケサダ氏を軟禁、弾圧を強めるオルテガ大統領
中米ニカラグアからの報道によると、中道右派の野党連合「自由のための市民たち」が11月の大統領選挙の副大統領候補に擁立しているベレニセ・ケサダ氏(27)が4日、治安当局によって自宅軟禁下に置かれた。
2017年の「ミス・ニカラグア」に選ばれたこともあるケサダ氏は、野党連合が先月28日に副大統領候補として擁立していた。野党連合の大統領候補は、80年代の内戦時に親米右派ゲリラ「コントラ」の一員だったオスカル・ソバルバロ氏(60)だ。
現在、ケサダ氏は、外部との電話連絡が禁止されており、大統領選挙への出馬も認められない可能性が高いという。元親米右派ゲリラと元ミスのコンビは、野党連合による大統領選挙の目玉となるはずだった。
極左ゲリラ出身の反米左派オルテガ大統領は、野党や反大統領派への弾圧を強めており、今年6月以降に30人以上の野党政治家や活動家を拘束している。拘束された人々の多くが、大統領候補として名前が上がっており、オルテガ氏が政権維持のために手段を選ばない姿勢があからさまになっている。
現地報道によると、反政府的な発言が多いケサダ氏は、与党が昨年12月に法案化した「国家治安強化法」を根拠として軟禁された可能性が高い。野党連合は「ケサダ氏の自由と人権尊重を求める」と訴えている。(サンパウロ綾村悟)