「顔パス」で支払いや入出金などが可能に
りそなやパナソニックなど4社、実用化へ異業種が連携
りそなホールディングス(HD)やパナソニックなど4社は2日、「顔認証」技術を使った決済基盤の実用化で連携すると発表した。来年度にも、銀行の店頭で顔認証だけで入出金や振り込みができる仕組みを導入。さらに宿泊施設のチェックインや小売店での「顔パス」決済など、業種の垣根を越えて幅広い場面での活用を目指す。
顔認証は、店頭に設置されたカメラなどで、本人の同意を得て共通のサーバーに登録した顔画像と照合して本人確認する仕組み。ジェーシービー(JCB)と大日本印刷を加えた4社で共通の基盤を構築する。
りそなHDは今年度中に本社で社員を対象に試験的に実施し、来年度にも傘下銀行の窓口などでキャッシュカードや預金通帳がなくても手続きできる仕組みを導入する。JCBもクレジットカード加盟店などに活用を呼び掛ける。小売店での支払いのほか、ホテルのチェックインやイベント会場の入退館などでの利用を想定する。
4社は、さまざまな業界の企業にも決済基盤への参加を呼び掛けていく方針。顔認証による決済は暗証番号の流出による不正利用などを防ぐ効果があるとされ、調査会社の富士経済(東京)は顔認証技術の市場規模が2023年に86億円と、19年の3倍に拡大すると予想している。