全国知事会が提言、お盆の帰省は原則中止を


都市封鎖の検討も言及、行動変容促すメッセージなど要請

全国知事会が提言、お盆の帰省は原則中止を

新型コロナウイルス対策をめぐり、テレビ会議で国への提言を議論する全国知事会のメンバー=1日午後、東京都千代田区

 全国知事会(会長・飯泉嘉門徳島県知事)は1日、新型コロナウイルス対策をめぐりテレビ会議を開いた。お盆の帰省を含め、夏休み中は原則として都道府県境をまたいだ移動を中止・延期とすることを国民に呼び掛けるよう国に求める提言をまとめた。感染防止対策の実効性を上げるため、さらに強い措置として「ロックダウン(都市封鎖)のような手法の在り方」の検討にも言及した。

 提言では、感染力が強いとされるデルタ株による感染再拡大は急速に進んでおり、「人流が増加する夏休み本番を控え、第5波の抑え込みに一刻の猶予も許さない状況にある」と指摘。帰省をはじめ、感染拡大地域との往来は控えるよう、都道府県と一体となって国民に呼び掛けることを要請した。

 特に感染者に占める割合が増加している若年層に行動変容を促すため、強いメッセージの発信を求めた。強制力を持った手法の在り方について長野県の阿部守一知事は「ロックダウン的な移動制限も含め、法制度を本気で検討してもらいたい」と注文。山口祥義佐賀県知事は「『緊急事態』という言葉が響いていない。実効性のある強い措置が必要だ」と主張した。

 開催中の東京五輪に関しては、来日した関係者の行動管理を徹底するようくぎを刺し、国民向けにテレビ観戦を強く要請することも求めた。

 ワクチンをめぐっては米ファイザー、モデルナ製、さらに英アストラゼネカ製を総動員し、円滑な接種を推進するよう訴えた。

 会議には知事44人が参加。出席者からは「県をまたぐ移動を抑え込んでいかなければ、全国が大変な医療危機にひんするのではないかと懸念している」(村岡嗣政山口県知事)などと、人の移動に伴う感染拡大を危惧する声が相次いだ。