海警法施行から半年、日本政府「世論戦」で対抗


尖閣周辺の海警船の動きが活発化、「サラミ戦術」に対抗

海警法施行から半年、日本政府「世論戦」で対抗

尖閣諸島の魚釣島周辺を巡航する海上保安庁の巡視船=2012年9月、沖縄県尖閣諸島沖

海警法施行から半年、日本政府「世論戦」で対抗

記者会見する岸信夫防衛相=7月30日、防衛省

 中国海警局に武器使用を認める「海警法」が2月に同国で施行されてから、1日で半年が経過した。この間、海警船が沖縄県・尖閣諸島周辺海域で武器を使用するような事態には至っていないが、日本政府は海洋進出を強める中国を警戒。各国との会談を通じて、同法への懸念に理解を求めるなど「世論戦」で対抗している。

 岸信夫防衛相は7月30日の記者会見で、「今後も海警法に対する懸念を共有し、力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対していくという強いメッセージを国際社会に向けて発信していく」と強調した。

 海警法は中国が「管轄海域」と一方的に見なす海域で、海警船に武器使用を認める内容。日本政府は、「適用海域が曖昧」などとして、国連海洋法条約に違反する可能性があると指摘している。

 防衛省幹部は「武器使用などの懸念は今のところ現実化していない」としているが、尖閣周辺の海警船の活動はむしろ活発化している。接続水域内の航行は2月13日から7月19日まで連続157日となり、過去最長だった昨年の111日を更新した。領海侵入事案も今年は7月末までに25件に上り、既に昨年1年間の24件を超えた。

 尖閣周辺での中国の手法は「サラミ戦術」と言われる。サラミを薄くスライスするように小さな既成事実を積み上げ、最終的な目標を達成するというわけだ。

 これに対し、日本政府も海警法施行をきっかけに、対抗措置を強化している。その一つが、中国の行動は海洋秩序を乱すものだとして、そのイメージを国内外に広める「世論戦」だ。

 防衛省はホームページ上に英語などで海警法に関する解説を掲載。同法が国際法に反している可能性を指摘した上で、海警船の装備を増強したり、海軍出身者が主要ポストを占めたりするなど、軍事色を強める海警局の「実態」を紹介している。

 また、岸氏は海警法施行以降、2国間会談や国際会議の場で同法の問題を提起。懸念を共有する米国やオーストラリアなどの国以外にも賛同を広げていきたい考えだ。