ジャンプ男子は大満足、4人全員が実力発揮


16年の空白を埋める、平昌は金、ジャンプ陣帰国

ジャンプ男子は大満足、4人全員が実力発揮

ソチから帰国した(左から)葛西紀明、伊東大貴、竹内択、清水礼留飛=20日午後、成田空港

 史上最強の日の丸飛行隊と称されて、金メダルを獲得した長野五輪から16年。17日に行われたジャンプ団体で、日本が長い空白を埋め、ようやく銅メダルを獲得した。  長野五輪のメンバーは、斎藤浩哉雪印メグミルク監督、原田雅彦同コーチ、現在も現役の岡部孝信(雪印メグミルク)、船木和喜(フィット)。エース船木の10勝(1998年2月時点、現在15勝)を筆頭に、全員がW杯の優勝経験があった。

 船木が個人ラージヒル(LH)で金、ノーマルヒル(NH)で銀。原田もLHで銅を獲得。右足負傷の影響があったとはいえ、94年団体銀メダルメンバーの葛西が外れるほど層が厚かった。

 今回は、W杯で16勝まで積み上げた葛西の次は伊東大貴(雪印メグミルク)の4勝だけ。竹内択(北野建設)とジャンプ転向3季目の清水礼留飛(雪印メグミルク)は未勝利。実績では比較にならない。

 だが、竹内は表彰台3度の経験があり、清水もソチ入りして調子を上げてLH10位。日本チームの穴はなくなった。横川コーチは「五輪の団体でここまでハイレベルで、僅差の戦いは多分なかった。そこで戦える選手が(控えの渡瀬雄太を含め)5人もいることは誇り」と話した。

 今大会個人2冠のストフを擁するポーランドが4位、NH銀、LH銅のプレブツがいるスロベニアが5位に終わったのとは対照的に、4人全員が安定して力を発揮したことが、メダルにつながった。

 今回のメダルは、低調なライバルに助けられた面もあり、日本の5人に続く層の薄さも気がかりだが、今回の銅で、次回のメダルに期待が膨らむ。斉藤智治監督は「(41歳の)葛西ですら『向上したい』と言うし、他の3人も伸びしろがある。世界を引っ張るようなチームにしていきたい」と、4年後に向けた強化に自信を見せている。(ソチ時事)