女性の競技ユニホーム抗議で服装規定に新風?
仏週刊誌が指摘、スケートボードの自由な服装に着目
東京五輪の体操女子団体の予選でドイツ代表チームが、従来のレオタードではなく全身を覆うボディースーツを着用したことが注目を集めた。五輪開催前の19日に開催されたビーチハンドボール欧州選手権の試合では、ノルウェーの女子ビーチハンドボール・チームが、ユニホーム規定のビキニパンツ着用を拒否し、短パンで出場したことで、欧州ハンドボール連盟から罰金を科された。
ノルウェーの女子チームに共感した米シンガーソングライターのピンクさんが、罰金を代わりに払うことを表明したことで、一部のスポーツユニホームが性的目的になっていることが批判され、注目を集めている。体操競技ではドイツ代表が団体総合で日本に及ばず9位で予選敗退したものの、ボディースーツも許可されている五輪で唯一ボディースーツを選んだ彼女らに称賛の声が上がった。
仏週刊誌マダム・フィガロは同問題で、ウエスタンオンタリオ大学の国際オリンピック研究センターの元所長のジャニス・フォーサイス氏に取材し、「女性のスポーツを観戦する際、男性の聴衆を性的に刺激することで注目度を増し、スポンサーやテレビ契約、さらにはアスリートの企業スポンサーを引き付けようとする商業主義が背景にあるのは確か」とのコメントを紹介している。
さらに同誌は、五輪のスケートボードで13歳ながら金メダルを取った西矢椛選手のユニホームに着目し、「国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪にスケートボード種目を加えたことは、オリンピックのイメージ現代化で観客を活性化させることに貢献した」と指摘した。
スケートボード競技の五輪規定では選手は自分が着る服は自分で自由に選べることになっており、女子選手が男子選手同様、ルーズで長いTシャツとパンツを履いた西矢椛選手やブラジルのレイサ・リール選手は、新風を巻き起こした。(パリ安倍雅信)