ルワンダのカガメ政権、政敵の娘を監視か
イスラエル企業のスパイウエアを使用か、政府は疑惑を否定
イスラエル企業「NSOグループ」のスパイウエア「ペガサス」が、アフリカ中部ルワンダのカガメ政権により大統領の政敵監視に使われた疑惑が浮上している。1994年のルワンダ大虐殺の映画「ホテル・ルワンダ」(2004年)のモデル、ポール・ルセサバギナ氏(67)の娘が狙われた。
ルセサバギナ氏は大虐殺後、米国やベルギーに逃れ、カガメ大統領率いるルワンダ強権体制を批判してきた。昨年、だまされてルワンダ行き航空機に乗せられ、逮捕された。
米英紙などが18日に暴いたペガサスによる情報監視疑惑で、見つかった大量の電話番号にルセサバギナ氏の娘カリーヌ・カニンバさん(28)の番号も含まれていた。20日に声明を出し「米国務省やベルギー外務省との会話は全部聴かれていた。父を誘拐し拷問し権利を奪っただけでは足りないのか」とルワンダ政府を非難した。
ルワンダ政府報道官は「そんなソフトウエアは使っていない」と疑惑を否定した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのカラマール事務総長は「人権活動家や記者を違法に監視し追跡する道具を各国に売っているのがNSOだ」と即時販売停止を要求している。(キガリAFP時事)