米CDC、ワクチン「追加接種」の可能性を検討
ファイザーから2億回分購入、12歳未満や接種完了者に
米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人に対する「追加接種」の可能性を検討している。感染力の強いデルタ株拡散を背景に、米国内の感染者数や死者数が再び増加傾向を示す中、免疫力の低い人々の感染リスクを下げるのが狙いだ。
サキ大統領報道官は23日の記者会見で、米製薬大手ファイザーからワクチン2億回分の追加購入を決めたと発表。「必要だという研究(結果)が出れば」という条件付きながら「(現在は接種対象外の)12歳未満への接種や、接種完了者への追加接種など、将来の必要性をにらんだ準備」と説明した。
米メディアによると、CDCの諮問委員会は最近、免疫の弱い人に対するワクチン追加接種を支持する基本姿勢を示した。ただ、追加接種の必要性を正式に勧告するかどうかは、医薬品認可当局の決定を見て判断するという。
免疫の弱い人はそれ以外の人と比べ、新型コロナのワクチン接種による効果が低いと言われる。米国では成人の2・7%ほどが「免疫が弱い」とされ、この中には臓器移植を受けた人や、がん治療を受けた人の一部が含まれる。
CDCによれば、米国の新規感染者数は一時、7日間の平均で1日当たり1万1000人強にまで減ったが、最近は再び4万人を突破。一方、全人口の48・9%に当たる1億6200万人余りがワクチン接種を終えたが、接種完了後に感染したケースも伝えられている。(ワシントン時事)