G7首脳が東京五輪支持を表明、中国経済牽制も
コロナからの回復がテーマ、菅首相「強力な選手団派遣を」
英国南西部コーンウォールで始まった先進7カ国首脳会議(G7サミット)は11日午後(日本時間12日未明)、初日の討議を終えた。菅義偉首相は東京五輪・パラリンピックを開催する方針を表明し、「世界のトップ選手が最高の競技を繰り広げることを期待している。強力な選手団を派遣してほしい」と要請した。日本政府によると、G7首脳は支持する意向を示した。
初日は世界的な流行が続く新型コロナウイルスからの「より良い回復」をテーマに議論。首相は「大きな困難に直面する今だからこそ世界が団結し、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを日本から発信したい」と強調した。
首相は「安全、安心な大会開催に向け、万全な感染対策を講じ、準備を進めていく」と説明。首脳の一人は「全員の賛意を代表して東京大会の成功を確信している」と歓迎した。
首相に同行する岡田直樹官房副長官は記者団に「私の見る限りでは各国首脳は温かい満面の笑みを浮かべて東京大会の開催を支持するという態度を示していた」と語った。
世界経済をめぐり、首相は「世界貿易機関(WTO)改革を進め、多角的貿易体制を推進していくことが重要だ」と指摘。「産業補助金をはじめとする市場歪曲(わいきょく)的な措置、デジタル保護主義、重要技術の流出といった経済面の諸課題は、G7の価値観と相いれない」と述べ、名指しは避けつつ中国をけん制した。
半導体や医薬品を念頭に「重要なサプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)性は問題であり、G7が協調する形で戦略的に取り組んでいく必要がある」と結束を求めた。
サミットは13日まで。12日は途上国へのワクチン供給の問題や中国など地域情勢について話し合い、最終日に気候変動問題を議論する。(コーンウォール〈英南西部〉時事)