韓国最大野党代表「国民の力」に36歳李俊錫氏
「固定観念壊し世の中変える」、来年3月の大統領選へ
韓国の保守系最大野党「国民の力」は11日、ソウルで党大会を開き、李俊錫氏(36)を代表に選出した。韓国の主要政党で30代が代表に就くのは初めて。来年3月の大統領選勝利に向け「変化」を求める党支持者の受け皿になった。
昨年4月から空席だった代表の座を争う選挙は党員投票と一般世論調査を7対3の割合で合算する方式で行われ、李氏が得票率43・8%で1位となった。李氏は受諾演説で「われわれは変わり、勝利する。慣性と固定観念を壊してほしい。そうすれば世の中は変わる」と訴えた。
大統領選では無党派・中道層が多い20~30代の支持獲得がカギとなるだけに、インターネット交流サイト(SNS)での発信や既成概念に縛られないスタイルで人気の李氏の代表就任は追い風になる。また、与党「共に民主党」を含め世代交代の機運が高まりそうだ。
李氏は演説で「私は過去にとらわれない勇気がある」と強調した。保守陣営は2017年の朴槿恵前大統領の弾劾・罷免により壊滅的な打撃を被った。党非常対策委員長だった朴氏に委員に抜てきされ「朴槿恵キッズ」と呼ばれてきた李氏の経歴は「弱点」でもあったが、代表選の過程で「弾劾は正当だった」と明言。「生まれ変わった保守」を印象付けた。
李氏は憲法や党の規定で次期大統領選に出られず、11月ごろまでに行われる党の大統領選予備選を取り仕切るのが最大の任務だが、国会議員経験はなく手腕を不安視する見方も少なくない。李氏は「多様な候補、その支持者と共存できる党をつくる」と述べたが、大統領候補の一人劉承旼元党院内代表と近いとされる。支持率トップの尹錫悦前検事総長は今後、国民の力に入党して大統領選に臨むとみられており、公正さを保ち、党の結束を維持できるかが課題だ。(ソウル時事)