仏マクロン大統領、人気ユーチューバーと共演
再選に向け若者の取り込みを狙う、一過性の指示に終わるか
フランスのマクロン大統領が、約1年後に迫った大統領選での再選に向け、若者の取り込みに力を入れている。5月23日に公開された人気ユーチューバーの動画に出演し、親しみやすさをアピール。職歴や学歴のない25歳未満の無職の若者に対し、月額500ユーロ(約6万7000円)の支援策導入も報じられている。
マクロン氏は30分超の動画の中で、男性2人組のユーチューバーとクイズに興じ、サッカー仏代表のエムバペ選手と通話するなどした。再生回数は30日時点で1300万回を超えている。
さらにマクロン氏は今年1月、新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮した学生を支援するため、大学の学食で食事を1食1ユーロ(約130円)で提供すると発表。心理的に悩みを抱える学生が精神科医らに相談する際の費用を補助する方針も示した。
テレビ局LCIが5月28日に報じた世論調査によると、マクロン氏の支持率は4月の前回調査から2ポイント増の48%。35歳未満では63%と、8ポイント増加した。調査を請け負った会社幹部は「この世代で大統領支持率がこれほど高かったことはない」と指摘した。
ただ、大学生の主要団体・仏学生連合(UNEF)は仏メディアに対し、「マクロン氏は若者の不安定な生活に真の解決策をもたらしていない」と批判。一過性の支持に終わり、次期大統領選での投票にはつながらないとする見方も根強い。(パリ時事)