「周期ゼミ」、素数のサイクルに種存続の秘密か


米東部で17年ぶりに大発生、敵を驚かせる生き残り戦略

「周期ゼミ」、素数のサイクルに種存続の秘密か

17年周期で地上に現れるセミ=14日、米ワシントン(EPA時事)

 米東部地域で、17年ごとに大発生する「周期ゼミ」が地上に現れ始めた。北米の固有種で、ほかに13年周期の種もある。1とその数以外で割り切れない「素数」のライフサイクルに、種存続の秘密があるという説もある。

 17年周期のセミが前回大発生したのは2004年。赤い目が特徴で、5月中旬には首都ワシントン近郊の住宅街でも脱皮したセミが樹木を登る姿が見られるようになった。6月にかけて数十億から数兆匹に達すると言われる。

 卵からかえった周期ゼミの幼虫は地面に穴を掘り、木の根から樹液を吸って成長する。17年を経た今年、一斉に地上に出て、交尾をし繁殖。木の枝などに卵を産み付ける。

 周期ゼミは7種類以上いるが、そのライフサイクルはすべて17年か13年。なぜ素数かは未解明だが、米バンダービルト大の数学者グレン・ウェブ教授はABCニュースで、2、3、5年など、より短い周期で繁殖する他の動物とライフサイクルが一致しにくい点を指摘。「敵を驚かせることが周期ゼミの生き残りの戦略だ」と主張する。

 同教授の予想モデルによれば、周期ゼミのライフサイクルが仮に素数でない10年や12年、15年だった場合、「絶滅または大幅に数が減少する」との結果が出たという。(ワシントン時事)