福岡堅樹、有終のトライを決め最高のフィナーレ


「後悔はない」、自身初めての優勝を達成し医者の夢へ

福岡堅樹、有終のトライを決め最高のフィナーレ

プレーオフ決勝の前半、トライを決めるパナソニックの福岡(右)。中央はサントリ福岡堅樹、有終のトライを決め最高のフィナーレーのB・バレット=23日、東京・秩父宮ラグビー場(時事)

福岡堅樹、有終のトライを決め最高のフィナーレ

プレーオフ決勝の前半、タックルを振り切り、トライを決めるパナソニックの福岡(右)=23日、東京・秩父宮ラグビー場(時事)

 ノーサイドの瞬間に福岡は軽くうなずき、穏やかな笑みを浮かべた。そして仲間や相手選手と健闘をたたえ合う。現役最後の試合でトライを決め、自身では初めての優勝を達成。「後悔はない。やり切った」。最高のフィナーレだった。

 しっかりと見せ場をつくった。前半30分。左の大外でSO松田から飛ばしパスを受けると一気に加速。タッチライン際で2人をかわし、インゴールに飛び込む。松田のゴールも決まって20-0。チームの勝利を大きく引き寄せるトライになった。

 医師になるため、受験勉強に取り組みながら臨んだラストシーズン。4月に順大医学部に進んだ後は、大学の講義とラグビーを両立させてきた。リーグ戦とプレーオフで10試合に出場して計14トライ。多忙でも世界トップレベルの決定力に変わりはなかった。

 福岡高、筑波大、日本代表と走り続けてきたラグビー人生に28歳で幕を下ろす。「トップレベルでスポーツをやってきた経験は今後に生きると思う。患者さんと心から向き合えるドクターになれるようにしたい」と夢を膨らませた。