台湾版リンゴ日報が休刊へ、新聞不況で部数減


業界に先駆けオールカラーを採用、香港版・電子版は継続

台湾版リンゴ日報が休刊へ、新聞不況で部数減

台湾紙「リンゴ日報」=2020年6月、台北(EPA時事)

 台湾主要紙の「リンゴ日報」は14日、17日の発行を最後に休刊すると公式サイトで告知した。新聞不況で発行部数が減り続けているほか、グーグルやフェイスブックなどの台頭が広告収入減に拍車を掛け、近年は赤字続きだった。電子版は継続する。

 同紙は、2019年の香港反政府デモに絡み、無許可集会の組織や参加罪に問われ、収監されている香港版リンゴ日報創業者の黎智英氏が02年5月に創刊。中国共産党や政府への批判的論陣で知られる香港版も、広告収入減で業績を悪化させており、香港版存続のため、台湾版の休刊に踏み切った。

 台湾版は政治的中立を掲げるほか、ビジュアルを重視。業界に先駆けてオールカラーを採用した紙面作りで差別化を図り、一時は台湾最大の発行部数を誇った。14日の発行部数は10万1000部。(台北時事)