ソチ五輪テロに屈せず、聖火つなぐ
エレーナ・イシンバエワも聖火リレーに参加
ソチ五輪開幕まであと20日となり、ユーラシア大陸を巡る聖火リレーは19日からテロが多発するロシア南部に入り、厳戒態勢が敷かれる中でラストスパートを迎える。
20日に聖火を迎える100万都市ボルゴグラードでは昨年末、駅とトロリーバスを狙った自爆テロで計34人が死亡した。惨事にひときわ心を痛めているのが、陸上女子棒高跳びの世界記録保持者エレーナ・イシンバエワだ。
五輪で二つの金メダルを獲得したイシンバエワはボルゴグラード生まれ。事件直後、現地メディアに「ただただ恐怖を覚える」と声を震わせた。父親はテロに揺れるダゲスタン共和国出身で、思いは複雑だ。
故郷に近いソチを舞台とするスポーツと平和の祭典を目前に、卑劣なテロを「国民全員の悲劇」と非難している。自らボルゴグラードでトーチリレーに参加し、五輪成功に向け、連帯の姿勢を示す。
イスラム武装勢力から標的にすると予告された五輪とテロとの戦いは既に始まっている。治安当局が最高レベルの警備を敷き、聖火リレーは危険地帯とされるダゲスタン、チェチェン、北オセチアの各共和国を巡る。(モスクワ時事)