米大統領を迎え宮中晩餐会


天皇陛下「実り多き滞在を」

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天皇、皇后両陛下は、宮中晩さん会のため皇居に
到着したオバマ米大統領を出迎えられた=24日
夜、皇居・宮殿南車寄(代表撮影)

 国賓として来日したオバマ米大統領を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が24 日夜、皇居・宮殿「豊明殿」で開かれた。晩さん会には皇太子殿下、秋篠宮殿下御夫妻ら皇族方のほか、安倍晋三首相ら三権の長が出席。両陛下の長女黒田清子さんや、米大リーグで活躍した元プロ野球選手の野茂英雄さんらも招かれた。

 米国側からはケネディ駐日大使やライス大統領補佐官、フロマン通商代表部代表らが出席した。

 天皇陛下はあいさつで、東日本大震災の際の米軍による「トモダチ作戦」などの支援に改めて謝意を表明。「両国民は先の戦争による痛ましい断絶を乗り越え、緊密な協力関係を築きました。来し方を振り返り、互いの理解を一層深め、相携えて進んでいくことを願ってやみません」と語り、大統領の日本滞在が実り多いものになるよう願っていると述べられた。

 これに対し大統領は、「国賓として両陛下と同席させていただき、大変名誉に思います。これは日米両国民の素晴らしい友情のしるしです」と応じた。

 その上で日本の皇室が体現してきた日本人の精神が、陛下の平和への思いや、日本国民が震災から立ち直る力の中に感じられると述べた。

 安倍首相との首脳会談にも触れ、「日米同盟が壊れることは決してありません」と明言した。

 最後に、東日本大震災で陛下がビデオメッセージで直接国民に語り掛けたお言葉の一部を引用しながら、「決して希望を捨てることなく、互いを大切にし、明日も強く生きていけますように」と締めくくった。