子宮頸がんワクチン リスクが予防効果の4倍以上


10万人当たり28・75人が重篤副反応

 子宮頸がんワクチンの重篤副反応が広がる中、東京・中央区の青木かの区議(みんなの党)は、先週開かれた中央区議会の福祉保健委員会で「接種により10万人当たり7人が頸がん前の異形成予防のベネフィットを受ける反面、28・75人が重篤副反応に苦しむリスクにさらされる」と指摘。重篤副反応の犠牲者の声に加え、厚生労働省のデータに基づき、接種はデメリットの方が大きいことが議会で示されたことで、同ワクチン接種の必要性を問い直す動きに弾みが付きそうだ。
(山本 彰)

東京都中央区議会で明らかに

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青木かの区議

 青木区議はまず、子宮頸がんワクチンはがん予防ではなく、その原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染予防であることから、HPVワクチンと呼ぶべきであると位置づけた。予防接種法改正で4月からHPVワクチンが定期接種化となり、区に接種率向上が求められているとしながらも、「ワクチンのリスクとベネフィットの情報を提示し、最終的に接種をするかどうかは当事者が決めるようにすべきだ」と述べた。

 平成21年末に導入されたHPVワクチン「サーバリックス」で効果があるのは、HPV16型、18型にのみ。青木氏は「日本の一般女性(18~85歳)のHPV16型、18型の感染の割合が、それぞれ0・5%と0・2%」(3月28日、矢島鉄也厚労省健康局長)であることを踏まえ、計0・7%のうち感染が持続するのは0・07%と述べた。同局長によると、感染HPVの9割が2年以内に自然排出され、1割が持続するためだ。

 また、英医学雑誌のデータで「若い女性の軽度異形成の90%が3年以内に消失するという報告がある」(同、矢島健康局長)ため、がんに発展するかもしれないのは、その1割の0・007%。すなわち、10万人に7人がワクチン接種の効果を享受する。

 ただ、高度異形成や上皮内がんに相当する段階でも「適切な治療が行われた場合には治癒率はおおむね100%であるというふうに日本産婦人科腫瘍学会のガイドラインでは示されている」(同、矢島局長)ため、定期検診でがんの予防・治癒が可能であることが再確認されている。

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HPVワクチンの「サーバリックス」(上)と「ガーダシル」

 青木区議は、はたともこ参院議員(生活の党)の質問に矢島局長が3月28日の参院厚生労働委員会で行った答弁を踏まえ、質問した形だ。

 一方、厚労省の3月11日のワクチン副反応検討会資料で、製造販売業者によるとサーバリックスのこれまでの接種者数が273万人、そのうち重篤な副反応が785件であり、青木区議は「10万人のうち、(ワクチン接種による)7人を救うために、28・75人が重篤な副反応に苦しんでいる」と語った。

 青木区議はまた、HPVワクチン「サーバリックス」、同「ガーダシル」の(重篤)副反応率が、インフルエンザよりそれぞれ(52倍)38倍、(24倍)26倍と格段に大きいことを説明した。

 同区の健康推進課長は、受診率がこの3年、毎年上昇しているものの25%程度であると答弁。青木区議は、リスクの高いワクチン接種ではなく、定期検診の受診率向上に努めるべきだと強調した。

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